- 「ラルフィリア・サーガ外伝 青い目の魚」 感想(ネタバレ) -


「ラルフィリア・サーガ」外伝の感想です
ネタバレしてますので要注意!




「電撃hp Volume2」掲載の外伝小説。ユーリが子供の頃の話です。

凶兆として王宮から遠ざけられたユーリは、父ユリシーザスの葬儀に参列することすら拒まれてしまう。ユーリは王宮で自分と同じように悲しんでいるであろう母サラフェリナを思い、一人サルファの丘で祈りを捧げることしかできなかった。
そんなユーリを見たカイルとレイラは、ユーリが髪の色を染めて、さらに瞳の色を変えることができれば、母親に会わせてもらえるかもしれないと思いつく。
リンガーの洞窟にいる魚『あおめ』を食べれば、瞳の色を変えられる。カイルとレイラからその話を聞いたユーリは、『あおめ』を探しに探検に出るのだった…というストーリー。

内容は、子供の小さな探検がテーマのほのぼのとした話です。
でも、ただほのぼのしただけの内容じゃなくて、ユーリが複雑な立場にいること、王宮から遠ざけられたユーリの葛藤が改めて思い知らされます。
父の葬儀に参列することすら許されない自分。
せめて、王宮で一人悲しんでいる母に会いたい。
幼いユーリが抱いた願い。
でも探検を通じて、今の自分が会いにいってもかえって母の重荷になるだろうと思い、母に会うことをあきらめる様子がいじらしいです。

ユーリに笑ってほしい、そんな気持ちから一生懸命がんばるカイルとレイラの姿は読んでてほほえましく感じました。
カイルは本当にいい子なので、カイルならユーリとくっついてもいいかなと思ってしまいます。
ディーンもユーリに対してはいい人なんですが、あの裏表のある性格がちょっと…(苦笑)。

短いストーリーですが、ユーリの母親や獣性の一族の設定にもさりげなく触れられていて、けっこう興味深い内容でした。
できることなら、別の号に掲載された外伝と一緒に文庫化してほしかったです。


この外伝が掲載された「電撃hp Volume2」は、今でも駿河屋やAmazonやヤフオク!でよく見かけるので、興味がわいた方はぜひ読んでみてください。



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