- 「HAUNTEDじゃんくしょん」 感想(ネタバレ) -
「HAUNTEDじゃんくしょん」の感想です
ネタバレしてますので要注意!
「ラルフィリア・サーガ」にリンクしている?作品ということで、この漫画の感想です。 東京都N区にあるS東高等学校を舞台に、教会の息子北城遥都(ほうじょうはると)、神社の娘朝比奈睦月(あさひなむつき)、寺の息子龍堂和御(りゅうどうかずみ)、聖職に身をおく家に生まれた三人で構成される「聖徒会執行部」(学校霊と生徒のよりよい学園生活を支援するために発足された組織)の活躍を描いた、学園オカルトコメディ。 この作品、とにかくキャラクターの個性が強いです。 特にヒロインの睦月。巫女としての腕はたしかだけど、ワガママで物欲が強く、重度のショタコンという強烈なキャラクター。睦月が美少年相手に見せるギャグシーンはどれも必見です。 三人をサポートする仲間の学校霊たちも個性的な面々が勢ぞろい。 美形の青年、おじ様、ショタボーイ、お色気美少女、清純派美少女、ロリ少女、人外まで本当に様々です。 学校霊でお気に入りキャラは「にの君(にのくん)」。 睦月の下僕としてこき使われつつも頑張る姿が毎回見ててほほえましいです。女装する場面も多く、「男の娘」という言葉がぴったりくるキャラで、まさに時代を先取りしていたわけですね。 睦月もにの君を下僕扱いしてるけど、下僕がピンチになったらとことん守る姉さん女房タイプで、そういうところが好きだったりします。 実際、にの君や分校くんはいざってときは睦月を慕っているようなことを言ってるわけですから。睦月ママがショタコンだったように、睦月もにの君とくっつくのでしょうか。 花子さんもお色気と清純さというアンバランスな魅力と、どんな場面でも笑顔で乗り切ろうとする強さももった万能キャラで、なにげにお気に入りでした。 自分が呪われて窮地に陥っても、呪い返しで自分が助かる方法を拒むなど(呪い返しは何倍ものダメージを呪った本人に与えるため)、自分を呪った相手の気持ちを察して思いやる優しさを見せたり、まさにお姉さんや友達に欲しい女の子です。 ストーリー前半はオカルトだけど明るいコメディ色が強いのですが、ストーリーが進むごとにシリアス度が増していきます。 主人公たちの最大の敵「光宮学園征徒会」、それを背後から操る「光の教団(カノン・ミレニアム)」が、遥都の”全てを破壊する力”とその”身体”を手に入れるべく、卑劣な手段で遥都たちを追いつめる様子は、読んでてすごくムカつきます。 ことあるごとに味方サイドのキャラクターが傷つけられたり、危険にさらされたり、命を落としかけたり、散々な目にあう様子はもう不憫で不憫で…。 ただこういった過程があるからこそ、どんなに劣勢でも仲間たちと協力してピンチを乗り越えていく場面は毎回健気で感動ものだったりします。 ラストは、一條鷲を救い、「光宮学園」を倒したことで、一応大団円的な終わり方なんですが、すべての黒幕である「光の教団」や黎・エルヴァーン司祭を倒したわけではないので、ちょっとすっきりしない結末です。 黎・エルヴァーン司祭のあのふてぶてしいまでの傲岸不遜さと冷酷さは悪役としてすごく成功してるキャラだと思いますが、それだけに、大勢の命を弄んだあげく最後は部下に任して自分はさっさと帰る…という、何も報いを受けないのはやっぱりムカツクことこの上ないです。 ちなみに、僕のお気に入りエピソードは「#4 ある学校の詩」と「#13 王子様ヘルプ!」と「SPECIAL版 うれしい!たのしい!運動会」。 運動会の話は学校霊たちが大活躍してて、楽しく明るく賑やかな雰囲気が大好きで大好きで…。借り物競争のお題を見てはりきった睦月がトップでゴールインする場面は爆笑しました。 また単行本の各話の間のページには「学校霊なんでも入門」や「CHARACTERS DATA」など作品を楽しめるコラムみたいなページもあって、作者さんのこだわりが伝わってきて好感もてます。 単行本11巻の「ラブラブ睦月のアルバム」のページはどれも必見。 それとこの作品、アニメ化やドラマ化などメディアミックス展開もされていました。 アニメ版は睦月役の声優が仲間由紀恵さんというのがなんともすごいキャスティングでした。当時はアイドル声優だった仲間由紀恵さんが今では大女優になり、そのため「仲間由紀恵の黒歴史」なんて言われてるようです(汗)。 仲間由紀恵さんは声の演技が下手…と言う人もいましたが、きちんと睦月の声を演じておられたと思うし、すごくはまっていて仲間由紀恵さんの声こそ睦月の声!って思えるくらい僕は大好きでした。声優云々は個人の好みの問題もあるのでしょうが…。 |
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HAUNTEDじゃんくしょん全巻(電子書籍版)
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